2022/04/22

心理的発達を促すエクササイズ


 構成的グループエンカウンターにおける「エクササイズ」とは、「心理的発達を促す課題」のことをいいます。教材を活用するという条件のもと、「エクササイズ」による自己開示や他者理解を加えることにより、子供たちに「自分たちの問題」として道徳的諸価値を受け取らせることをねらいます

 エクサイズの一例として、例えば「自分の短所を示す言葉を別の言葉に言い換える」というものがあります。自分が短所だと思っていることを別の視点で捉えさせ、見方を変えさせることをねらう活動です。「 頑固」→「意志が強い」、「行動がおそい」→「慎重」、「よくしゃべる」→「ムードメーカー」といった感じです。二人一組などのグループで行うことにより、「自己を見つめ個性を伸ばす」というねらいを他者との分かち合いのなかで体験的に理解させるエクササイズになります。

 さて、日本文教出版の5年生に「あいさつ運動」という教材があります。この教材では、進んで心のこもった挨拶をしようとする態度を養うことをねらいます。

 私は、この教材での学習活動で、様々な枠を用意して(構成的)、実際にあいさつをし合うというエクササイズを実践しました。条件を限定した状態であいさつをし合うことで、どのようなあいさつがうれしかった(さみしかった)か。なぜ、うれしい(さみしい)と感じたのか。これらを考えさせるための「あいさつゲーム」というエクササイズ(学習活動)です。このエクササイズに取り組ませることで、「心のこもったあいさつとは、どのようなものか」という発問について実感的に理解させることをねらいました。

 ここで忘れてはいけないのは、授業のねらいを明確にすることです。エクササイズでいくら子供たちが盛り上がろうとも、形だけ真似をすると本来の目的は果たせないからです。


《参考引用文献》

貝塚茂樹『道徳教育を学ぶための重要項目100』(2016,教育出版)

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