2022/04/07

態度・知識・技能


 ある年、学級で手話を教えました。手話を知ることで、障害のある方々の生活に思いを巡らせてほしいと願いました。教室に手話の本も置きました。すると・・・、手話を使っておかしな会話をする子が出てきました。

 その時、「手話だけを教えても意味はない」ということを身をもって学びました。なぜ、手話を必要とするのか。手話を使っている方々はどのような思いを持っているのか。そのようなことも子供たちに学ばせる必要があったのです。まさしく、人権教育の3観点の重要性に気づくことができたのです。

 人権教育では、態度的側面・知識的側面・技能的側面の三つの側面を育てることが大切だとされています。手話の例を使って考えると、

・態度的側面・・・手話を使っている方々の思いに共感する。

・知識的側面・・・手話の成立の歴史や現状を知る。

・技能的側面・・・手話を使って会話ができるようにする

となるでしょうか。私は、このうちの技能的側面のみに焦点を当てていたのです。それゆえ、態度的側面や知識的側面への配慮が足りず、おかしな会話をするような状況になってしまいました。

 道徳科授業で育てるのは、主に「態度的側面」になります。総合的な学習や特別活動、社会科などの他教科・領域と関連させ、知識的側面や技能的側面も育てていくことが、子供たちにとってよりよい人権教育となるのです。

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