学習指導要領解説に「道徳的行為に関する体験的な学習等を適切に取り入れる」という記述があります。これは、様々な体験活動を自由に取り入れてよいということではなく、考えるべき道徳的諸価値の理解に体験的な活動が効果的であると想定される場合に取り入れるという認識になります。
さて、「体験的な学習」の一つとして、「構成的グループエンカウンター」という手法があります。カウンセリングの主要理論を土台として、國分康孝・久子夫妻が開発した手法であり、 グループを活用したカウンセリングとしての位置付けになります。その特徴は、人間関係構築を通しての自己発見や他者理解をねらうという手法になります(エンカウンターとは、もともと「出会い」「めぐりあい」を意味します)。
さて、構成的グループエンカウンターの「構成的」とは、「枠を与える」という意味であり、「グループサイズ」や「時間制限」、「条件」など、指定された枠内においてエクササイズを遂行することを意味しています。
その理由として、例えば、「何でもよいから話してください」という漠然とした指示よりも、「自分が好きな◯◯について一分間話してください」という枠を与える方が、それが手引きとなって自由な言動を誘発することができるからです。
《参考引用文献》
貝塚茂樹『道徳教育を学ぶための重要項目100』(2016,教育出版)
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