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2026/07/11

様々な人権課題を扱った直接的指導の工夫

「様々な人権課題を扱った直接的指導の工夫」


 光村図書の5年生教科書に、「誰もが幸せになれる社会を」という、ハンセン病を扱った教材があります。直接的に人権課題を扱った教材といえます。

 さて、栃木県教育委員会は、人権課題を扱った直接的指導の工夫として、以下の図のように説明をしています。 

 大事なポイントは、「強く生きていこうとする姿を共感的に捉えさせ、明るい展望がもてるようにする」というところになるでしょう。

2022/05/02

カリキュラム・デザインと人権教育


 人権教育で大事なことはカリキュラム・デザインである。これが私の「人言教育の推進」に関する現状理解です。

 例えば、人権課題の一つである「ハンセン病」を授業で扱うとします(光村の5年生教科書に「だれもが幸せになれる社会を」という教材があります)。道徳科授業で、差別・偏見を許さない心を育てようと考えます。いわゆる、人権教育における『態度的側面』の育成です。しかし、「ハンセン病」に対する知識がなければ、その心の育ちは不十分なものになる可能性があります。そこで、人権課題に対する正しい知識を得る学習を設定する必要が出てきます。専門家の方にお話を聞く機会を設けるなどが考えられます。これが人権教育における『知識的側面』の育成になります。そして、総合的な学習の時間に、自分たちでできることを考え、実際に差別・偏見の解消につながる行動を一つ起こしてみる。これは『技能的側面』の育成になります。このような「カリキュラム・デザイン」を大事にすることが、人権教育の推進において大変重要になるのではないかと思っています。

 上記のことに関して、一つの経験を紹介します。ある年、教室に手話の本を置いていました。合唱曲に合わせて手話の練習をすることもありました。手話を知ってほしい、使えるようになってほしいという担任としての願いでした。

 ある日、その手話を使って授業中にこっそりと会話をする子がいました。秘密の暗号のように、ひそひそと学習内容に関係のないやりとりをしていたのです。これは、「手話を使う」という技能的側面を身につけさせたいという担任の想いだけが一人歩きし、障害のある方の願いや苦しみを理解しようとする態度的側面や、手話が生まれた背景や社会の障害者差別に対する施策などの知識的側面の学びが不十分だったから起こったと想像できます。

 上記の例からもわかるように、様々な人権課題を解消しようする社会の担い手の育成に向けて、どのように学びをデザインするか。人権教育の推進にはこのカリキュラム・デザインが大事になるのです。

2021/11/07

人権課題を扱う授業「ハンセン病」


 光村図書5年生に「誰もが幸せになれる社会を」という教材があります。「ハンセン病」について扱った教材です。ハンセン病元患者に関する差別は、法務省が定める主な人権課題の一つとして、全国民が解消に向けて取り組むべき課題と設定されています。

 ところで、皆さんはハンセン病について詳しく学んでいるでしょうか。恥ずかしながら、私は自ら学ぼうとできていませんでした。病気の原因や症状、差別の歴史や元患者の方々の苦しみ、そして現状をよく知らないまま教師をしていました。

 3年前、自主研修でハンセン病元患者の療養所を訪れる機会がありました。その時、心に強く刺さるものがありました。心をゆさぶられ、無知を恥じ、差別の現実を知り、自分もこの差別をなくすための行動を起こしたいと思いました。

 私は道徳科の研究を進めていたので、道徳科授業を通してハンセン病差別について学ばせたいと考えました。あいにく勤務校が使用している副読本(当時は教科化前)にハンセン病の教材はなかったので、教材を自作することにしました。とはいえ、使用した素材は現地で撮影した風景写真1枚だけ。考えさせたいことが明確であったので、その写真(美しい海)と差別の現実という「ずれ」を用いて、差別について考え議論させようと決めました。授業日は、3学期の参観日。その年の最後の参観日に授業を公開しました。家庭でも「差別」について考えてほしいと願ったからです。

 当日の板書計画はこのようなものでした。

 授業前半は、教師と子供たちの対話を通して「知識的側面」を学ぶ時間としました。道徳科授業は本来「価値的・態度的側面」を学ぶ時間ではありますが、まずは知識がないと「差別の現実」を知ることができないと判断し、前半は知識獲得の場としました。

 主な学習活動のねらいは以下の通りです。  

・美しい風景写真と差別の現実との「ずれ」を起こすことで学びへの必然性を生む。

・治療薬が開発されてから法律が制定されるまでの期間を知ることで、驚きと怒りを感じさせる。

・「ハンセン病差別はなくなったのか」という問いに対して自己判断をさせ、思考を深めさせる。

 3年前の授業となりますが、今でもその時の熱気を覚えています。子供たちは真剣に考え、差別に対しての怒りを覚え、自分の思いを伝えようとしていました。

 昨日、療養所を再訪することができました。学芸員の方のお話を拝聴しながら、あの時に子供たちの心に芽生えた「差別への怒り」と小さな芽が、今でも少しずつ育っていることを願いました。