2年生「るっぺ どうしたの」(3)
【学習活動を考える】
これまでに「るっぺ どうしたの」の授業づくりについて考えてきました。今回は、実際の授業でどのような学習活動が考えられるかについて述べていきます。
【わがままって、何だろう】
この教材の主題が「わがままをしないで」とあります。これまでに「るっぺはわがままなのか」「るっぺを悪者にしてほしくない」ということを述べてきました。では、「わがまま」とはどのような様子のことをいうのでしょうか。
「わがまま」という言葉は幼い子でも知っています。しかし、その言葉のもつ概念は人それぞれです。それぞれに理解の異なる言葉であるのなら、素直に「わがままって、どんなことかな?」と尋ねてみたらどうでしょうか。学習のテーマを与えるとともに、理解のずれから「考えたい」「伝えたい」を生み出します。
【誰が困るのかな】
教材の3つの場面で、それぞれ誰が困るのかを考えさせることもできます。子ども達に尋ねると、どの場面でも「自分」も「相手(友達)」も困るということが見えてきます。この活動を通して「わがまま」という言葉の概念理解につなげることもできます。
【できていることは何?】
道徳科の授業では「自己肯定感」を育むことも重視されています。この教材で授業をする際、るっぺの困り感を理解させるとともに、「自分もできていないなぁ。これからはがんばろう」と気づかせることが必要だと述べてきましたが、学級の実態に合わせて、「自分にはこんなにもできていることがある」と気づかせることに重点をおく授業も考えられます。
例えば、黒板に提示された3つ場面に笑顔マーク(マグネット)を貼っていくというようにすると、たくさんの笑顔マークのおかげで「僕たちはできているんだ」という肯定感を感じられることでしょう。
【動作化と役割演技】
「ランドセルから荷物がこぼれる」ということが想像できない子たちには、動作化を通してそのショックを体感させてみてもいいでしょう。予想していたより大変な状況だと理解でき、るっぺへのアドバイスを真剣に考え出すことが期待できます。
また、アドバイスする場面を役割演技させることもできます。その際、るっぺ役は教師でもいいでしょう。なぜなら、「できない」「注意される」という場面を演技させることは、児童の心につらい気持ちを芽生えさせてしまう恐れがあるからです。また、教師が演技することで、「でも・・・」と問い返すこともできます。そうすることで演者の即興的な演技を引き出すことも可能になります。もちろん、るっぺの視点で真剣に考え、よりよい自分(るっぺ)になりたいと感じている児童がいるのなら、その児童に演技をさせても大丈夫です。
【「ねばならない」をなくす】
ここまで述べただけでも様々な活動が考えられますが、正解(不正解)となる活動は存在しません。授業展開を柔軟に考え、「道徳科授業は〜でなければならない」という固定観念を崩し、学級の児童に合った道徳科授業を考えていきたいところです。
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