2022/10/20

主題


 道徳科授業の指導案を書くとき、一行目に「主題」を書きます。また、その主題を板書してから授業を始めたり、中心発問や振り返りで活用したりしている授業も見かけます。

 さて、「主題」について村上敏治は著書の中で端的に説明しています。

(以下、参考引用文献より抜粋)

主題は単なる話題ではなく、主たる問題であるが、さらにいえば、児童生徒の現在および将来に人間として生きる上での課題でなければならない

(以上)

 主題とは、人間として生きる上での『課題』でなければならないと村上は論じています。私達は教科書や指導書に記載されている「主題」を、特に考えることなく使ってはいないでしょうか。そして、その「主題(のようなもの)」が子どもたちにとって『人間として生きる上での課題』となるかどうかを考えず、ただ記載・提示しているだけになってはいないでしょうか。親近性や切実性をもつ主題こそ、課題となるはずです。

 授業を考える際、「はたして、この『主題』は子どもたちの課題になり得るか」を、児童生徒の実態をもとに考える必要がありそうです。


《参考引用文献》

村上敏治著『道徳教育の構造』(1973,明治図書)

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