2022/10/22

ホットシーティング


 明治図書出版の『道徳教育 2022年10月号』の記事の中で、弘前大学教育学部附属中学校の佐々木篤史氏が「ホットシーティング」という手法を紹介していました。

 ホットシーティングとは、「テキストの内容やある場面の登場人物の心情などをより深く理解するために、教師や学習者が登場人物となって、質問したり答えたりする技法」のことです。

 誰かが、質問を受ける「ホット・シート」に座った時点で活動が始まります。シートに座った子が、教材の人物になりきってフロアからの質問に答えていきます。重要になるのは、「考えてから表現する」のではなく、「表現してから考える」という「即興性」であり、いわゆる「役割演技」と共通するところがあります

 「役割演技」は、どうしても「演じる」ということに抵抗や恥じらいをもってしまうことがあります。しかし、この「ホットシーティング」は、「人物になりきる」ことは同じですが、椅子に座って質問に答えることになるので、比較的取り組みやすいように感じました。

 佐々木氏も、「中学生は(教材を俯瞰してしまうので)教材の内容を自分ごととして考えるのが苦手である。そこで、ホットシーティングを取り入れたことで、子ども達はインタビューのやり取りから、場面や感情をイメージしやすく、自分の考えと比較しながら考えやすくなった」と述べています。

 「ホットシーティング」、是非取り組んでみたいです。


《引用参考文献》

『道徳教育 2022年10月号』(2022,明治図書出版) 

渡部淳、獲得型教育研究会編『学びを変えるドラマの手法』(2010,旬報社)

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