元教科調査官の瀬戸(1986)は、道徳科授業における「注意すべき発問」の一つを以下のように説明しています。
(以下、著書より抜粋)
導入から終末まで、計画的に発問はなされるが、どの段階であっても、精選して、質の高いものでなければならない。次のような発問は、ぜひ気をつけたいものである。
①読解力に影響される発問
「なぜA君は、優しくしたのでしょう」というような発問を投げかけたとき、その答えは文中にあるというようなことである。つまり、読解で答えられるのであり、読解力のある子どもが活躍する授業になってしまう。このような発問では、自分をふり返ったり、自分のことを語ったりすることはできない。文中にあることばではなく、行間を読み取らせるような発問こそ大切である。
(以上)
教材を読めば書いているようなこと、すぐに分かってしまうようなことを問うことは、道徳科授業ではあまり意味のない発問であるということです。
《参考引用文献》
瀬戸真『新道徳教育実践講座1 自己をみつめる 道徳の時間における価値の主体的自覚』(1986,教育開発研究所)
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