永田(2022)によると、現在の学習指導要領解説では、小・中学校ともに「問題意識」という用語が頻出していているということです(子どもの立場で用いられるのは9箇所ずつで、平成20年の解説書と比較しても急増)。
例えば、このように書かれています。
「児童がどのような問題意識をもって学習に臨み、ねらいとする道徳的価値を理解し、自己を見つめ、多様な感じ方や考え方によって学び合うことができるのかを具体的に予想しながら(中略)展開を構想する。」
永田はこの記述をきわめて重要だとしています。それは、授業は子どもの問題意識をふまえた追求であり、教師の教えたい順番や「問い」の順に授業を作るのではなく、子どもの考えたい「問い」の流れに即して全体を構想すべきことを強く示唆しているからだと述べています。
そうであれば、日々の授業の中で、教材との出会い方がこれまで以上に重要になるのではないでしょうか。そして、教材と出会った後の、つぶやき。子供たちが現在もっている価値観や経験と、教材に隠された価値観や理想とのずれによって生まれるつぶやきを丁寧に受け取ることが、子供たちの問題意識につながるのだと考えます。
《引用参考文献》
『道徳教育 2022年7月号』(2022,明治図書)
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