2022/06/02

二通の手紙


 ある研修で「二通の手紙」の教材分析が話題になりました。「二通の手紙で一番引っかかる文章はどこか」という質問から始まり、本教材で大事にしたいことについて講師の先生がこのように説明くださいました。

 「この教材は母の手紙のインパクトが強すぎる。まるで子どもをだまし討ちしているように感じないだろうか。本教材で大事なのは、「子供たちに何事もなくてよかった」というところである。多くの授業は「この年になってはじめて考えさせられることばかりです」という文章だけを切り取っている。しかし、その前の文章と合わせて考えさせることが大事である。そうすることで、生徒に中心人物の情の浅はかさに気づかせたい。「俺(元さん)の思いやりは大したものではなかった」という中心人物の気づきに気づかせ、そのことについて考えさせるのである。本教材を「温かい思いやりと冷たいルール(規則)」という対立にしてはいけない。本来、ルール(規則)は人を守るためにあるのだから

 中心発問を考える際、確かに「この年になってはじめて知ることばかり」という部分だけを問うてしまいがちです(教科書の中心発問もそのようになっています)。しかし、大事なのは「子供たちに何事もなかったこと」であり、元さんの無責任な判断で事故につながる可能性があったということをしっかりと理解させる必要があるのだと納得しました。

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