2022/02/17

流行遅れ


 髙宮(2002)は、「功利主義(最大幸福原理)」の立場から、「目的」「結果・帰結」「成長・変化」の三つの視点で発問をすることを提案しています。

 この三つの視点について、教材「流行おくれ」(日本文教出版5年生)の授業づくりで説明をしているので、紹介します。


(以下は、髙宮の提案をもとに筆者が整理)

【発問1】

新しいジーンズを買ってほしいという願いは妥当なものか。

「節度」とは「適度」のことなので、「もっと望んでよい」から「望みすぎ」までを5段階の数直線に配置し、選択の理由を問う

【発問2】

どうして新しいジーンズを買ってもらいたいという欲をおさえられないのだろう。

「節制」とは、「欲望を抑える」という意味もある。この発問を通して、「節制」を妨げる「阻害条件」を理解させる

【発問3】

ジーンズを買ってもうらうと、どんないいことがある?

「結果・帰結」(成長・変化)の問いを活用し、メリット・デメリットを比較させる。

『メリット』

「流行についていける」「友達にかわいいと褒められる」「買いたい欲を満たせる」など

『デメリット』

「親のお金がなくなる」「また新しいものを買ってほしくなる」「無駄遣いするようになる」など

【発問4】

ジーンズを買ってもらうと、どんなよくないことがある?

【発問5】

節度を守り節制に心がけると、どんないいことがあるのか?

現在の視点だけでなく、「自己実現」という「目的」(未来)を考えさせる


《引用参考文献》

『道徳教育2022年3月号』明治図書

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