渡邉真魚(2022)は、「ロールプレイ」では、自分のこととして捉えさえ、考えさせながら、心の中を丁寧に言語化させることが大切だと述べています。このことに強く共感をします。「演技すること」が目的となっているロールプレイ(役割演技)では、そのよさを生かすことはできないでしょう。演技することを通して、どのように言葉を紡がせるか。これは演者にも観客にも言えることですが、「言葉を即興的に紡がせること(言語化)」こそ、ロールプレイの目的であると私は考えています。
さて、渡邉氏は、この言語化を促すポイントとして、「ペア・インタビュー」と「メンタル・リハーサル」の導入を挙げています。
【ペア・インタビュー】
2人1組になって、資料中の登場人物になりきり、互いにインタビューをさせます。ウォーミングアップとして演じることに慣れるためにも行いますが、同時に資料理解を促す役割も果たします。渡邉氏は「再現のロールプレイ」の前に取り入れることを勧めています。
【メンタル・リハーサル】
別な場面をイメージさせ、その場で自分の行動を考えさせます。目を閉じて新たな場面を想像させるので、「心のテレビに自分を映してごらん」という声かけをするといいかもしれません。「解決のロールプレイ」の前に位置づけることが効果的だと渡邉氏は述べています。
《引用参考文献》
『どうとくのひろば No.31』(日本文教出版,2022)
林泰成『モラルスキルトレーニング』(2013,明治図書)
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