2022/02/12

モラルスキルトレーニング(2)


 渡邉真魚(2022)は、「ロールプレイ」では、自分のこととして捉えさえ、考えさせながら、心の中を丁寧に言語化させることが大切だと述べています。このことに強く共感をします。「演技すること」が目的となっているロールプレイ(役割演技)では、そのよさを生かすことはできないでしょう。演技することを通して、どのように言葉を紡がせるか。これは演者にも観客にも言えることですが、「言葉を即興的に紡がせること(言語化)」こそ、ロールプレイの目的であると私は考えています。

 さて、渡邉氏は、この言語化を促すポイントとして、「ペア・インタビュー」と「メンタル・リハーサル」の導入を挙げています。


【ペア・インタビュー】

2人1組になって、資料中の登場人物になりきり、互いにインタビューをさせます。ウォーミングアップとして演じることに慣れるためにも行いますが、同時に資料理解を促す役割も果たします。渡邉氏は「再現のロールプレイ」の前に取り入れることを勧めています。


【メンタル・リハーサル】

別な場面をイメージさせ、その場で自分の行動を考えさせます。目を閉じて新たな場面を想像させるので、「心のテレビに自分を映してごらん」という声かけをするといいかもしれません。「解決のロールプレイ」の前に位置づけることが効果的だと渡邉氏は述べています。


《引用参考文献》

『どうとくのひろば No.31』(日本文教出版,2022)

林泰成『モラルスキルトレーニング』(2013,明治図書)

0 件のコメント: