髙宮(2022)は、「アリストテレスは、徳を『超過』と『不足』の間にある『中庸(中間)』と定義しました」と述べています。たとえば、「勇気」という徳は、「向こう見ず(超過)」と「臆病(不足)」」の中庸になるということです。この「中庸」という徳の捉え方をもとに、髙宮氏は内容項目「節度、節制」の説明と授業展開の提案をしています。
(以下、枠内は髙宮氏の主張)
(以上)
なるほど、過剰と過小の間を「徳」と見るのなら、登場人物の行為がどちらに近いのかを判断させてみるという学習活動が考えられます。おそらく、その判断の基準は子どもによって異なるので、そのずれから対話が生まれることが予想できます。
また、髙宮氏は、「功利主義(最大幸福原理)」の立場から、三つの視点で発問をすることを提案しています。
1、「目 的」 ・・・何のために節度を守るの?
2、「結果・帰結」・・・節度を守るとどんないいことがあるの?
3、「成長・変化」・・・節度のある生活をすると、将来どうなるの?
このように尋ねることで、「節度、節制」の意義を自分との関わりで考えることにつながると述べています。自らの幸福(生き方)の自覚につながるということです。
《引用参考文献》
『道徳教育2022年3月号』明治図書
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