2021/09/02

パッケージ型ユニットでパフォーマンス評価 道徳科授業のつくり方

書籍紹介

「​​パッケージ型ユニットでパフォーマンス評価 道徳科授業のつくり方」


【発想の転換】

 本日は書籍紹介の日となります。國學院大学教授の田沼茂紀氏の著書、「​​パッケージ型ユニットでパフォーマンス評価 道徳科授業のつくり方」(東洋館出版 2017)を紹介します。

 田沼氏は、「道徳授業はこうでなければ」といった管見な発想を転換するという視点がこれからの道徳科充実・改善の要諦だと、著書の中で述べています。​​これまでに取り組まれてきた一斉型授業スタイル、あるいは指導する内容項目に関係なく「導入では」「展開前半では」「展開後半では」といった固定的な授業プロセスに縛られた指導方法に一石を投じているのです。


【パッケージ型授業ユニット】

 そこで田沼氏は、「パッケージ型授業ユニット」と呼ぶ手法を紹介しています。それは、次のようなイメージです。

①年間35時間の道徳科授業を大単元、つまりユニットとして捉える。

②学期ごと、節目ごとに自校の道徳的課題や道徳教育重点目標に照らして重点的指導内容を明らかにする。

③年間指導計画に小単元プログラム(パッケージ型ユニット)を組み込む。

 というものです。これまでに単一時間に一つの内容項目を学ぶことが当たり前であった道徳科の授業に、いわゆる「単元」という概念を導入しようという発想です。


【課題探求型の道徳科授業】 

 この手法の最も大きな可能性は、道徳科授業を、新学習指導要領が求める「課題探求型」にすることができる点にあると、田沼氏は述べています。テーマに基づいて課題を探求する道徳的学びは、「徳目的指導型」の道徳授業から抜け出す最良の策だということです。

 具体的には、例えば「いじめ」について子供達に考えさせたいと教師が考えた際、まず数時間の授業を通底する大括りの学習テーマとして「いじめ」を設定し、「生命の尊さ」「公正、公平、社会正義」「友情、信頼」などを相互に関連づけて、課題解決を図っていくという連続的な指導に取り組むということです。そうすれは、学習課題への子供達の意識は授業が進むごとに明確になり、自分ごととしての学びにつながると述べています。

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