2021/09/13

板書は縦書き?横書き?

板書は縦書き?横書き?〜『道徳教育』2021年10月号〜

(1)板書について考える

 明治図書の『道徳教育』、10月号は板書特集でした。有名教材の板書例もたくさん掲載されており、大変読み応えのあるものとなっています。

 さて、巻頭の論説を掲載されている鹿児島県教育庁始良・伊佐教育事務所長の永田孝哉氏が、学習指導要領解説の板書についての記載を紹介していました。


(以下、「学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別の教科 道徳編 P85より抜粋)

【板書を生かす工夫】

 道徳科では黒板を生かして話合いを行うことが多く、板書は児童にとって思考を深める重要な手掛かりとなり、教師の伝えたい内容を示したり、学習の順序や構造を示したりするなど、多様な機能を持っている。板書の機能を生かすために重要なことは、思考の流れや順序を示すような順接的な板書だけでなく、教師が明確な意図をもって対比的、構造的に示したり、中心部分を浮き立たせたりするなどの工夫をすることが大切である。

 (以上)


 「横書きの板書でもいいのですか?」という質問をよくいただきます。皆さんも授業検討の場で板書の縦書き・横書きについての議論をしたことはないでしょうか。そこでは、「道徳は縦書きで決まっている」「教科書が縦書きだから、板書も縦書きでしょ」という論が根強く残っています。

 しかし、実は学習指導要領にその答えが記載されていたのですね。「対比的、構造的に示したり」という文言から、従来の川流れ式の板書だけでなく、幅広い板書が推奨されていることがわかりました

 このことは、決して縦書きの板書がよくないというものではありません。教材や展開に合わせて、板書も工夫されるべきだということです。授業者として、何のために板書をするのか、その根本を問うていきたいものです。

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