手品師の授業づくりについて先述(20220304)しました。それをもとに模擬授業をする機会がありましたので、事後検討会で出た意見を紹介します。
(1)内容項目「正直、誠実」の捉え方について
低学年(モヤモヤ)→中学年(綱引きの様な、自分への正直さ)→高学年(生き方に誠 実)→中学校(誇りからの誠実)とつながっていく。 今回の「後ろめたさに着目させるという授業展開は、中学校の目標に近い実践ではないだろうか?
(2)「手品師にとっての誠実さ」
手品師は、「自分が手品師であること」を守りたかったのだろう。それに人生をかけると決めた自分がいるのである。
(3)「後ろめたさ」について
今回の授業提案では、「後ろめたさ」に着目していた。多くの授業の場合、「一番大切にしていたことは何か?」と聞く。しかし、あえて「失いたくないもの」を問うことで、新たに見えてくるものがある。しかし、6年生の実態を考えると、思考の難しさを感じる。
しかしながら、「失いたくないもの」と「後ろめたさ」はイコールなのか。「後ろめたさ」については、補助発問として出してもいいのではないか。中心発問は、教科書に書かれている「どんな思いから、手品師は男の子との約束を選んだのだろう」として、補助発問として「後ろめたさ」について尋ねてはどうだろうか。
(4)補助発問について
「もし、少年との約束が鬼ごっこなら、手品師は少年を選ぶのかな?」(条件を問う)
「あなたにとっての手品は何ですか。それを見つけられたらいいですね」(自己を問う)
道徳科の授業づくりには決して正解はありません。今、目の前の子供たちに何を考えさせたいか(何を教えたいかとは異なります)。まさに、上記の「あなたにとっての手品とは?」というようなことを考えられる時間を提供することが道徳科授業の醍醐味であり、そのための対話を生む「問い」や「展開」を考えることこそ、授業づくりだといえるでしょう。決して、手法や正解を誰かに教えてもらうことが研究ではないと、私自身は考えています。
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