教師の発言そのものを対話的にする手段として、ヤーコ・セイラックは「反応を呼び寄せるように一人称で話す」ことを提案しています。例えば、「私が思うに、あなたはこう考えているのかな・・」「私の経験だとそうなるけど、まだよくはわからないけどね・・・」という話し方になります。
また、対話場面では、「穏やかに進める」ということも提案しています。これは、「沈黙の瞬間は対話にふさわしい」という捉え方によるものです。対話者のあいだに生まれる対話のリズムには休止や沈黙の瞬間が必要であり、それによって、人は考えていることを口に出すばかりではなく、内的対話のための間を持つことができるからです。みずからが自分自身や他者に向けて言った内容に耳を傾けることができるのです。
《引用参考文献》
ヤーコ・セイラック トム・アーンキル著 斎藤環 監訳『開かれた対話と未来 今この瞬間に他者を思いやる』(2015, 医学書院)
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