第30回AtoZ道徳授業学習会(主催:岐阜聖徳学園大学 山田貞二先生)参加をしました。今回の教材は、小学校高学年の定番教材である「うばわれた自由」。
さて、本教材の作者をご存知でしょうか。私も存じ上げていませんでしたが、江橋照雄氏が書いた教材になります。江橋氏は「手品師」の作者でもあります。「手品師」では、少年のところに行くか大劇場に行くかのどちらを選ぶかという葛藤を通して、「誠実さ」についての価値理解を対比させています。「うばわれた自由」でも、そのような葛藤や対比が描かれているところに、江橋氏の教材づくりのねらいが込められているのでしょう。
では、「うばわれた自由」には、どのような葛藤・対比が描かれているのでしょう。この日の研修会でも、そのことが議論の土台にあがりました。
本教材のテーマは「自由」です。ジェラールとガリューの、それぞれの考える自由とはどのようなものなのかで対比が生まれます。これが対話のきっかけとなります。
ジェラールの考える自由は、社会規範を考えない自分勝手な自由といえます。みんなにとって公平ではなく、他者に迷惑をかける自由です。
対して、ガリューの考える自由は、他に左右されない自由であり、法のもとにある自由ということができます。英語で言うと「リバティ」になるのでしょうか。
これだけを見ると、ガリューは「正しい存在」であり、ジェラールは「正しくない存在」という構図が見て取れます。しかし、それだけでは、この教材のおもしろさと難しさは理解できないということを、この日の研修会で改めて気づかされました。
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