2023/06/28

道徳的価値への尊敬の念


 宮地忠雄は、道徳の時間(当時)の目的について、以下のように述べています。

(以下、抜粋)

道徳的感覚は、自己の内面において、道徳的価値をどのようにとらえているかに大きく左右される。であるから、考えようによれば、道徳の時間は、道徳的な価値についての認識を深めさせ、その実現について尊敬の念を抱かせ、豊かな、そしてきびしい道徳的感覚を育成する時間ともいえよう。

(以上)

 道徳科の教材には、道徳的な問題に対しての中心人物の葛藤・決断が描かれています。しかし、スポーツ選手や偉人を扱った教材で授業をすると、「僕には無理・・・」という発言がよく聞こえてきます。だからこそ、「無理」「できない」という思考を「すごい」「ワクワクする。ぼくもがんばりたい」と変えられるような発問や展開が必要になってきます。例えば、幼少期のエピソードや動画(映像)を補助教材として活用するなどして、発問や展開を工夫するということも道徳科の授業づくりでは大事なのです。


《参考引用文献》

宮地忠雄『道徳指導シリーズ8 道徳授業と発問』(1973,明治図書出版)


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