小学校3年生教材「学級しょうかい」の教材分析4回目です。
本教材の内容項目であるC「よりよい学校生活、集団生活の充実」について、学習指導要領解説に以下のような記載があります。
(以下、抜粋)
互いに思いやりや明るさや活力あふれる楽しい学級を、みんなで協力し合ってつくっていくことができるような態度を育む必要がある。
(以上)
先日の記事で「協力し合って」を「共有体験の充実」に置き換えてはどうかと提案しました。ここで気になることが一つあります。例えば、他者との関わりに不安を抱いている子や、自分の興味関心のあることに没頭する子などが、「道徳性が育っていない」という立場になってしまわないかということです。
常に「みんなで」を重視しなければならない社会には息苦しさを感じます。学級の子どもにも、同じように感じる子がいるのではないでしょうか。安易に「みんなで一つになること(協力すること)が大事だ!」という学習内容を授業のゴールにすると、一人ひとりの個性を大事にするという人権教育の考え方に相反するものにもなってしまいます。
本教材を授業するにあたり、「みんなで一つになることが大事」と「一人ひとりの思いを大切にすることが大事」という両者の視点を教師がもっておくことを、私はとても大切だと考えます。また、その視点から問い返しの発問を考えることもできるでしょう。教師自身が多面的・多角的に教材を分析することが大事になるということです。
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