道徳科で現代的な課題を扱う場合、他教科・領域との関連付けが重要になります。複数の教科・領域で共通する課題を主題として教材を活用することで、考えを深めていくことができるのです。
さて、他教科・領域との連携として、國學院大学教授の田沼茂紀が提唱する「パッケージ型授業ユニット」という手法があります。
(以下、参考文献より抜粋)
本書において提案するのは、「パッケージ型授業ユニット」と呼ぶ手法です。概観的には、次のようなイメージです。
①年間35時間の道徳科授業を大単元、つまりユニットとして捉える。
②学期ごと、節目ごとに自校の道徳的課題や道徳教育重点目標に照らして重点的指導内容を明らかにする。
③年間指導計画に小単元プログラム(パッケージ型ユニット)を組み込む。
道徳教育に課せられた現代的課題の克服を目指す時、一定のテーマに基づいた小単元による指導効果は計り知れないものがあります。
この手法の最も大きな可能性は、道徳科授業を、新学習指導要領が求める「課題探求型」にすることができる点にあります。裏を返せば、テーマに基づいて課題を探求する道徳的学びの創造は、「徳目指導型」の道徳授業から抜け出す最良の策だということです。
(以上)
田沼氏は、道徳科授業を他教科・領域と関連させることで、学習指導要領が求めている「課題探究型」の授業づくりにつながると述べています。このことは、「自分はどのように生きていくべきかなどについて、考えを深めていく」という道徳科のもつ本質にもつながるのではないでしょうか。
《参考引用文献》
田沼茂紀『パッケージ型ユニットでパフォーマンス評価 道徳科授業のつくり方』(2017,東洋館出版)
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