学習指導要領解説の「友情、信頼」の指導の要点(P41)に以下のような記載があります。
(以下、学習指導要領解説より抜粋)
相手の内面的なよさに目を向け、相手の成長を心から願って互いに励まし合い、忠告し合える信頼関係のよさを味わわせたい。また、友情を培うために自分はどうあればよいか、友情とは何か、などについて発達の段階に応じて意見を交換し合うなど、発展的な指導を心掛けることも重要である。
(以上)
解説の本文に「友情を培うために自分はどうあればよいか」「友情とは何か」という発問例が記されていることに気づきます。本教材で「友情を培うために自分はどうあればよいか」という問いについて考えるとすると、「相手の幸せを願うこと」になりそうです。僕と健司は、耕平の幸せを願って盆踊りに誘った。その気持ちが伝わったからこそ、耕平は二人に悩みを打ち明けたのではないでしょうか。
この「相手の幸せを願うこと」が「信頼」の土台になります。「具体的に『信頼する』とはどういうこと?」と問われたとしても、「相手の幸せを願うこと」と答えられそうです。
さて、指導要領解説の中にも「相手の成長を心から願って互いに励まし合い、忠告し合える信頼関係のよさを味わわせたい」とあります。しかし、「信頼し合う」とは、その子の責任をいっしょに背負うという重たさもあります。教材の中の僕は、耕平のもつ悩みや責任をきちんと背負えるのか。そもそも、悩みや責任をいっしょに背負うとは、具体的にどのようなことなのか。授業後半で発展的に考えさせようとするなら、「もし、他の誰かに耕平のことを聞かれたときに、僕はどうするか。」という発問も考えられます。「友情を培うために自分はどうあればよいか」という学習指導要領解説に記載された発問例(上記抜粋を参照)をより具体にした発問にもなります。このようなことを考えても、子供たちの学びが深まるのではないでしょうか。
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