心理学者のモロゾーヴァは「認知的葛藤」や「葛藤を解決のための努力」の重要性を訴えています。モロゾーヴァによると、はじめに子どもたちに何らかの情報を与え、その後で明らかにそれとは一致しない事実を知らせることが、子供たちにとっての教育的な価値、および関心を誘発する上で大変重要になるとしています。
一つの例として、「植物の成長と生存にとって日光が必要であることを聞かされた子供たちが、それと同時に、日光のないところでも生きることのできる植物(きのこ)が存在することを指摘される」という例をあげています。一貫性を欠くと思われる諸事実にぶつかり、そして、その葛藤を解決する努力が行われると、子供たちの興味が高まるということです。
道徳科授業での「考えたい!」を引き出すヒントが、このモロゾーヴァの研究から見つかるのではないでしょうか。
《参考引用文献》
橋本七重・小杉洋子『バーライン 思考の構造と方向』(1970,明治図書)
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