中学校1年生教材「裏庭でのできごと」(日文)について考えていきます。
本教材の後半に、中心人物(健二)がもやもやした気持ちで鏡(姿見)を眺める場面が描かれています。現在の教材文では「鏡を眺めながら考え続けた」となっていますが、過去の(他社の)教材文では3人(健二、雄一、大輔)の3人が肩を組んでいる写真を眺める場面が描かれているようです。
なぜ、「3人の写真」と「鏡(姿見)」という違いがあるのでしょうか。そこには、内容項目の設定と関係があると考えられます。本教材の内容項目は「A 自主、自律、自由と責任」です。鏡(姿見)を眺めて自分の姿を見つめることで、中心人物が自己(自分)の生き方を深く考えている姿を描きたかったのではないかと推測できます。「3人の写真」だと、生徒の思考がどうしても「友情、信頼」の方に流れてしまうからでしょう。
教材の文章が異なるということは、その箇所が授業の展開に大きな影響を与える可能性があるといえます。そうであれば、本教材での中心発問場面は、この「鏡を眺めながら考え続けている」場面としてもよいのではないかと考えられます。