2022/09/27

道徳科授業における資料(教材)


 道徳科授業における資料(教科における教材)について、村上敏治は著書の中で以下の通り述べています。

(以下、著書より抜粋)

 一見拙いと見られる資料でも良い授業ができれば良い資料である。資料の適否は、ねらいに適合するかどうかということだけであって前述のように、一点に限定してねらいに向けて活用できるものである限りどんな資料でも活用できる。

 私の資料活用論の基本は、資料とは何かということである。結論的に言えば、資料は道徳的思考をみがく砥石であり、人間の生き方に直面する姿見であり、人生の地図を見て自らの立脚点を見つめる展望台に立たせるものである。一人ひとりの児童生徒が人生の展望台に立って自己を見つめることができるかどうかが道徳授業の成否の鍵であって、そのための資料である。そのような資料を100パーセント活用するというのが持論であるが、100パーセント活用するというのは一字一字に拘るということではない。資料の全体の持ち味を活かして、ねらいに向けるためのキーワードとでもいうべきものが最小限一つはあるから、そこを授業の重点として深めていくということである。

(以上)

 その授業での「ねらい」は何なのか。それを明確にすることが資料(教材)の有効な活用につながるということです。


《引用参考文献》

村上敏治編著「道徳授業技術双書4 小学校道徳 内容の研究と展開」(1983,明治図書出版)


0 件のコメント: