日本文教出版2年生「三びきは友だち」の授業づくりに取り組んでいきます。
内容項目は「公正、公平、社会正義」。学習指導要領解説によると、低学年の学習内容は「自分の好き嫌いにとらわれないで接すること」になります(上位学年の中学年は「誰に対しても別け隔てをせず、公正、公平な態度で接すること」)。
本教材を一読して見ると、「この3びきは友達かな?」という疑問が思い浮かびます。この疑問がそのまま発問(授業展開)につながるかもしれないと考えてしまいがちですが、本教材を「友達について考えよう」というねらいにしてしまうと、学習指導要領の学習内容と大きく異なってしまうことに気づきます。
また、最後の場面で、中心人物である「ぴょんた」が何を考えていたのかを子供たちに話し合わせた時に、「きちんと謝る」という発言をする児童がいることも想定できます。しかし、先述と同様、本教材の学習内容は「悪いことをしたら、素直に謝る」(正直、誠実)というものではありません。
このように、「自分の好き嫌いにとらわれないで接すること」という学習内容、いわゆる「えこひいきをしない」という思考は2年生の子供たちの素直な感想からはなかなか出てこないものではないかと想像できます。なお、もしかしたら「みんなで仲良く」ということを幼稚園や1年生で教えられてきたかもしれませんが、そのよさを実感しないままスローガンのように使ってきている子が多いかもしれません(これはただの「行為の押し付け」)。同様に、本教材の授業の終末で「みんなで仲良くすることは大事だね」と教師から伝えることにあまり価値はありません。まずは、本教材の学習内容が子供の発達段階による意識から遠いところにあるということを意識した上で、「みんなで仲良くするとは、どういうことか」「そのよさはどのようなものか」を考える授業展開を考えてみてはどうかと思っています。
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