矢原隆行(2016)は、「リフレクティング・プロセス」のことを「内的語らいと外的語らいの間を、行きつ戻りつすること」としています。「外的語らい」とは他者との語らいであり、「内的語らい」とは自分自身と語らうことになります。
さて、「語る」という行為について、話したいと思うことを、彼なりの話し方で、話したいだけ話すことができるような機会を与えるべきであると矢原は述べています。聴き手が注意深く、妨げないようにしなければならないということです。
他者の話を聞いていると、「それは〜ということでは?」「〜したほうがいいと思いますよ」と、つい口にしてしまいます。しかし、矢原は「さえぎられないモノローグが、内と外の会話の交替から成り立っているように見える」ということから、この「さえぎられない」ということを大事にすべきであるとしています。
さて、内的語らいは「(相手に対する)話を中止し、『間』ができたときに起こる」ものです。これは、話者(教室では児童生徒)がどこか別の場所に移動している(誰か他の人に会っている)状態になります。視線がさまよい、どこか違うところを見つめているのです。意味を探し求めているのです。
そして、その「間」の後、視線をそこにいる相手に向け直して、外的な語らいが再開します。そのように考えると、やはり『間』が大事なのだと、改めて感じられるのではないでしょうか。
《引用参考文献》
矢原隆行『リフレクティング 会話についての会話という方法』(2016,ナカニシヤ出版)
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