2022/07/20

内容項目と授業のねらい


 大阪成蹊大学の服部敬一(2022)は、「学習指導要領解説の内容(内容項目)が授業のねらいにはならない」ということについて、学習指導要領解説をもとに説明しています。

(以下、学習指導要領解説22頁より一部抜粋)

「(前略)これらの内容項目は、児童自らが道徳性を養うための手掛かりとなるものである。なお、その指導にあたっては、内容を端的に表す言葉そのものを教え込んだり、知的な理解にのみとどまる指導になったりすることがないように十分留意する必要がある」

(以上)

 近年、「社会正義とは」「誠実とは」など、短い言葉を授業のテーマに掲げ、その言葉の意味について考えさせる授業がよく見られますが、授業の終末にその言葉の意味を考えさせるだけでは、道徳科授業の本質からは離れてしまうということです。思考の矢印を「言葉」に向けるのではなく、道徳科授業では「自分自身」に矢印を向けさせる(自己をふり返らせ、生き方を考えさせる)必要があるのです。


《引用参考文献》

『道徳教育2022年8月号』(2022,明治図書)

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