2022/07/25

役割演技を分析する(3)〜6年生教材「ヘレンと共に ーアニー・サリバンー」〜


前記事の授業記録「役割演技」の続き

『では、今は文字を教えている状況でしたが、その後の「water」のところにいきます。教科書の続きを読みますね。』

(範読再開)

『井戸に連れていくところからもう一度演じてもらいます。では、最後の場面のところをお願いします。』

アニー「じゃあ、井戸のところに行くね。」

(ヘレンの腕を持ち、井戸(テレビ前)に連れていく)

アニー「これは、・・・。」(静かになる。)

(しゃべりかけることなく、黙々と文字を教える)

(アニーは、なかなか反応を示さない。)

(観客も「どうしたのだろう?」となっていく)


『では、一度ストップします。◯◯さん、「水」というものに気づいているのかな?』

◯◯「はい。いきなりには気づかないと思ったので、少しずつ気づくようにしました。」

『なるほど。では、続きをお願いしてもいいですか?』

(演技再開)

(しばらくアニーが文字を書き続ける)

アニー「そう!これが「水」だよ!」

嬉しそうな表情で水という文字を書くアニー)


『では、そこまでにしましょう。みんな、アニーが突然声を出したことに気づいたかな?●●さん、やってみてどうでしたか?なぜ、突然声を出したのかな?』

●●「伝わった!と感じてうれしかったからです。」


『ヘレンはどうでしたか?』

◯◯「何度も水と書いてくれて、「わかった!」ということを早く伝えたいと思いました。」


『これで授業を終了します。演技を見た感想や、アニー・サリバンについて感じたことをノートに書きましょう』

教材の最後、ヘレンが「water」を理解する場面の演技です。ヘレン役の児童が教材の世界に入り込み、なかなか「water」という文字への理解を示さず、時間だけが過ぎていきました。アニー役の児童の不安や観客役の困惑も伝わってきました。この不安や困惑こそ、アニーが感じていた不安なのではないでしょうか。授業者として演技を中断するか悩んだ末、一度中断して確認をすることにしました(中断法)。

演技再開後、ヘレンが「water」に気づいた際のアニーの表情は、本当に嬉しそうなものでした。役割演技を取り入れたことで、この心からの笑顔と喜びを教室全体で実感することができました。ただし、時間の都合上、その後のリフレクティングの時間を授業時間内に十分確保できませんでした。そこで、道徳ノートによるふり返りで、演技の感想も書いてもらうことにしました。

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