2022/08/12

共感とは、何か


 「〜の心情に共感させる」という文言が、道徳科の指導案でよく登場します。では、「共感」とは、どのような状態のことをいうのでしょうか。

 一般的な共感は、教材の人物の喜びや葛藤を自分のこととして感じることです。

 

 しかし、実際に他者の心情の全てを理解することは不可能です。それを、分かったつもりになって「あなたは〜と思っているはずだ」と決めつけてしまうと、「なぜ、〜と考えないのだ!あなたは、おかしい!」と、他者を批判する思考に陥ってしまいます。それでは、道徳科授業での対話が成立しなくなってしまいます。

 そこで、心理学での「共感」に着目してみます。心理学の分野では、決して相手のことを理解できないことを前提として、できる限り相手のことを理解しようとすることを「共感」と呼ぶようです。

 この「一般的な共感」と「心理学的な共感」、どちらも道徳科授業で身につけさせたい力になります。

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