「自分で考えてみよう」などの声かけを教師なら一度はしたことがあるでしょう。山田勉は、「自ら考える」ということについて以下のように述べています。
(以下、著書『教える授業から育てる授業へ』より抜粋)
考えるということは、何の条件もないところではなかなか成立しない。なんとなく、いろいろなことを走馬灯のように思い浮かべるときがある。まったく自由に、自分一人の世界に遊んでいる気ままな状態である。このような状態を、考えてるとは言わないであろう。むしろそれは思っているという言葉が使われることが多い。考えるということは、何らかの条件のなかで、考えざるを得ない状況に追い込まれて、その状況から脱出して、安定した状態を回復するために行われるのである。だから、一般的に、考えるとは問題解決のために、他の諸要素を伴って推理することと言われるのである。
(以上)
山田氏の論を借りると、「自ら考える」とは「考えざるを得ない状況から脱出して安定した状態を回復する行為」だということになります。ここに主体的な学びにつながるヒントがありそうです。
《引用参考文献》
山田勉著『教える授業から育てる授業へ』(黎明書房,1987)
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