2021/07/19

黄金比3:7

黄金比3:7


 『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)の中で、著者である精神科医の樺沢紫苑氏は、「​​​​​​インプットとアウトプットの黄金比は3:7である」と述べています。何かを学ぼうとするとき、この黄金比を意識できたら、きっと力を大きく伸ばせるでしょうね。

 さて、道徳の授業において、教材を読んだり話を聞いたりしてばかりの授業では子ども達の学びが深まらない理由が、ここにあります(きっと、道徳だけではなく他の教科授業も同じだと考えられます)。

 日々の道徳授業において、このアウトプットの時間、いわゆる考え議論する時間がどれだけ確保されているでしょうか。なお、この場合、教師の発問による一問一答での発言はアウトプットに入れることはできないと、私は判断します。なぜなら、それは発言を許された児童のみのアウトプットであり、他の児童は聞いているだけになりがちだからです。

 例えば、「◯◯さんが、〜と発言したけど、みんなはこの意見に賛成かな?」というように、一人の発言を学級全体に広げます。それをきっかけに多様な思考を促し、意見を対比したり納得できる解を見つけたりできるように、授業者は授業をデザインします。一人の子の発言がみんなの発言となり、学級全体で思考することができたら、それはアウトプットになります。

 さらに、樺沢氏は『アウトプットをすると、必ず疑問が生じる。その「なぜ」を放置せず、「なぜ」を突き詰めるとその先に「気づき」が見えてくる。』とも述べています。上で述べましたが、一人の子の発言により、自分と他者の意見との違いに気づいたり、日常生活の経験とのズレが生じたりします。その違いやズレが、まさに考え議論するポイントになるのです。なんだか、この書籍が道徳科授業について書かれたものに感じてきましたね。

 道徳科の授業において、対話する時間をぜひ確保してください。対話の種類や方法は後日述べますが、子ども達の対話(アウトプット)が、道徳科授業における主体意識を養うためには必須です。黄金比3:7を意識し、2学期の授業を考えてみてくださいね。

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