学習内容を明確にする(2)
道徳授業における「学習内容」の重要性を、私は山口県の坂本哲彦氏から教わりました。関西学院初等部での講演を拝聴した際、「道徳授業で学習内容という言葉を使うことに反対する方がおられるかもしれませんが」という前置きの後、学習内容を明確にする(焦点化する)ことの意義を語られました。
坂本氏の著書「分けて比べる道徳科授業」(東洋館出版社)の中にも、以下のような記述があります。
〜以下、抜粋〜
道徳科の授業において、授業の「ねらい」とは別に、それを叶えるための「学習内容」を設定することが不可欠です。この点が不十分だから、読み物資料の登場人物の心情理解のみの指導や意図などが不明確な単なる生活経験の話合いになったりしてきたのです。
〜以上〜
坂本氏の言葉を借りると、道徳授業を考える際、はじめに授業者がすべきことは、その教材での学習内容を明確にすることだとわかります。まず、学習内容を明確にする。その次に、発問や展開を考える。そうすることで、授業に一本の軸が生まれるのです。ただし、ここで大切にしたいことは、「何を教えるか」ではなく、「何について考え議論させるか」という学び手の視点で授業者が考えていくことです。授業の主役は子ども達だからです。
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