2022/11/15

令和の道徳科授業(1)〜個別最適な学びと協働的な学び〜


 中央審議会が2021年1月26日に公表した「『令和の日本型教育』の構築を目指して〜全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現〜(答申)」の中で、個に応じた指導について以下のように述べています。

(以下、答申より抜粋)

新型コロナウイルス感染症の拡大による臨時休校の長期化により、多様な子供一人一人が自立した学習者として学び続けていけるようになっているか、という点が改めて焦点化されたところであり、これからの学校教育においては、子供がICTも活用しながら自ら学習を調整しながら学んでいくことができるよう、「個に応じた指導」を充実することが必要である。この「個に応じた指導」の在り方を、より具体的に示すと以下の通りである。

 全ての子供に基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させ、思考力・判断力・表現力や、自ら学習を調整しながら粘り強く学習に取り組む態度等を育成するためには、教師が支援の必要な子供により重点的な指導を行うことなどで効果的な指導を実現することや、子供一人一人の特性や学習進度、学習到達度等に応じ、指導方法・教材や学習時間等の柔軟な提供・設定を行うことなどの「指導の個別化」が必要である。

(以上)

 「指導の個別化」に関する記載になります。この答申を道徳科の眼鏡で読もうとすると、複数の疑問が頭に思い浮かんできます。

(1)道徳科における「自ら学習を調整しながら粘り強く学習に取り組む態度」とは?

(2)道徳科における「教師の支援の必要な子供」とは?

(3)道徳科における「学習進度、学習到達度」とは?

(4)道徳科における「指導方法の柔軟な提供・設定」とは?

(5)道徳科における「教材の柔軟な提供・設定」とは?補助教材を複数用意して、選択できる環境を整えるのか。


 道徳科は「特別の教科」です。しかし、「特別」だからといって上記のような疑問を意識しなければ、道徳科は子供たちにとって魅力のない教科となってしまう恐れがあります。また、これらの疑問を考えることこそ、道徳科の授業改善につながるものだと考えます。

 

《引用参考文献》

奈須正裕『個別最適な学びと協働的な学び』(2021,東洋館出版社)

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