2023/12/01

道徳科授業の発問研究(3)〜授業者の役割〜


 道徳科授業で「発問」を行使する授業者の役割についても言及したい。河野哲也(2011)は、「子どもは、ときに経験不足である。自分の狭い範囲の経験しか知らず、人間の交際範囲も限られているかもしれない。歴史や文化比較の知識がないことから、現在の自分が住んでいる社会の出来事を相対化する視点に乏しいかもしれない。議論教育における教師の役割は、教室において欠けているかもしれない多様性をもたらすことである。」としている。

 考え議論する道徳科授業を目指すための授業者の役割は、「教室に欠けている多様性をもたらすこと」であり、その役割を「発問」が担うことになるのである。


《参考引用文献》

河野哲也「道徳を問い直す リベラリズムと教育のゆくえ」(ちくま書房,2011)

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