小学校1年生教材「はしの上のおおかみ」の、「意地悪をした時のおおかみの気持ち」を考えさせる基本発問について考えます。
日頃から意地悪をされている子が学級にいると想定します。その子が「意地悪をした時のおおかみの気持ちは?」と尋ねられると、「うさぎさんに悪いことをしたな」という発言をするかもしれません。この発言は授業者が意図するものではないかもしれませんが、その子の日常から生まれた心の声です。もし、授業者がこの発言を否定するようなことがあれば、その子の心は救われないでしょう。
このような発言こそ、「もう少し教えてくれる?」と問い返し、その背景を聞こうとする授業者の人権感覚が求められます。もしかすると、意地悪をしたときのおおかみの心の中も、「おもしろい」という気持ちが大部分を締めていたとしても、「悪いことをしたなぁ」という気持ちも少し混ざっていたのかもしれません。だからこそ、くまの親切が心に響いたのかもしれません。「悪いことをしたな」という発言を想定することで、教材分析にも変化が生じます。
「発問」によって一人ひとりの子供たちがどのような印象をもつのか、その「発問」によって苦しさを感じる子はいないか、今一度見直していきたいものです。
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