道徳科の授業を受ける子供たちの姿に目を向けます。小学校1年生と中学校3年生の姿を比べると、どのような成長を見ることができるでしょうか。どのような力が身についているでしょうか。
さて、学年・校種が変わっても、道徳科の授業が教師の発問に対して答えるだけのものになってはいないでしょうか。常に一問一答で授業が進み、子供たちは発問を「与えられる」だけの立場に甘んじていないでしょうか。
道徳科の「見方・考え方」は、平成28年の中央教育審議会答申で次のように示されています。
このことから、道徳科の授業の積み重ねを通して、「多面的・多角的に考えようとする」「自分との関わりで考えようとする」という力を身につけさせていくという意識を教師がもつ必要があるでしょう。
さて、上記の力を養うための具体的な方法として、例えば、「他の立場から考えてみるとどうかな?」のように、「考え方」を教師が提示し、その思考方法のおもしろさを子供たちに繰り返し感じさせることが考えられます。また、「もし私だったら・・・」と発言した子がいたら、「すごいね。自分のこととして考えてみたのだね」と価値づけすることも大事になります。
これらは、数ある授業技術の一つではありますが、なにより、一問一答型の授業ではなく、子供たちが「う〜ん」と考えたくなる魅力的な発問を通して、「考えるっておもしろいでしょ」というメッセージを発信していくことが、子供たちの「見方・考え方」を育む最も効果的な方法になるのではないでしょうか。
《参考引用文献》
『道徳教育 2024.2月号 P70-72』(明示図書出版)
0 件のコメント:
コメントを投稿