2024/02/12

6年生「手品師」(3)


 6年生教材「手品師」(日本文教出版)の教材分析です。

 学習指導要領解説において、内容項目A「正直、誠実」の指導の要点に「真面目さを前向きに受け止めた生活を大切にする」という記述があります。この記述と教材「手品師」との関連を考えてみましょう。

 手品師は、大劇場のステージに立つという判断をせず、一人の男の子の前で手品をすることを決断します。その手品師の判断に対して子供たちが納得・共感をできていないのなら、「手品師の行動は自己犠牲であり、判断がおかしい」という理解になってしまうおそれがあります。

 だからこそ、手品師が男の子の前で手品をしているときの気持ちについての共感が重要になります。そこで、「手品師はどんな気持ちだったかな?」と発問をするとともに、例えば、「もし、次の日に少年が来なかったら、手品師は後悔をしたでしょうね」とゆさぶってみてはどうでしょうか。「後悔しなかった」という子供の理解を、「後悔した」と理解している子供たちに聞かせることで、より高い価値の理解に導くことをねらうのです。

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