他者理解と内面的自覚
道徳科授業では、価値理解、人間理解、他者理解という3つの理解が重要であるとされています。3つの理解の中で、他者理解に焦点を当てて考えてみます。
なぜ、他者理解が必要となるのか。このことについて、心理学者のシュテルンの論が参考になります。
(以下、参考文献より一部抜粋)
われわれは、われわれが他人との共同体のなかで、他人を『理解』することによって、自己の生活経験を補うのである。他人を理解することは、自己の生活経験を前提とする。自己の生活経験が深く、かつ広ければ、それだけいっそう、われわれは他人をよりよく理解する。しかし、われわれが他人を理解することによって、自己の生活経験は、すなわち、われわれ自身の理解は深化され、拡大され、そうして再び一層豊かな他人の理解を可能にする。すなわち、自己の本質と他人の本質との理解は、不断の相互関係において発展するのである。
《参考引用文献》
上田薫・平野智美『教育学講座16 新しい道徳教育の探求』(1979,学習研究社)
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