内容項目「正直、誠実」の授業づくり(低学年)について考えてみます。
学習指導要領解説では、小学校低学年の指導の要点として以下のように記載されています。
低学年の子供たちのポイントは、「他者から叱られたり笑われたりすることから逃れようとする気持ちが働く」というところです。この気持ちの働きは中学年以上の児童・生徒にも該当するものではありますが、低学年の指導の要点に記載されていることから、特にこの発達段階で考えさせるべきポイントになると考えられます。
さて、学習指導要領解説に書かれていることから補助発問を考えることができます。低学年の子供たちに上記のような特徴があるのであれば、そのことを直接問うことが有効です。「でも、正直に言えば、怒られるかもしれないよ」と問う(ゆさぶる)ことで、「それでも正直に言わないといけない。だって、〜。」という発言が期待されます。この「だって、〜。」という発言の先に個々人の考え方こそ、道徳的価値の深い理解につながるものになるでしょう。
なお、中学年以降の授業でもこの補助発問は用いられますが、どの発達段階でも同じ発問(ゆさぶり)をしてしまうと、それぞれの発達段階で考えさせるべき学習内容の理解に届かなくなる恐れがあるので、今一度発問について考える必要があるかもしれません。
【正直、誠実の教材例(日本文教出版社)】
2年生「お月さまとコロ」、3年生「まどガラスと魚」、4年生「新次のしょうぎ」等