中学校1年生教材「裏庭でのできごと」について考えていきます。
本教材では、主に3名の人物が出てきます。そのうちの一人、大輔の存在を考えてみましょう。
「いいよ、そんなこと。あの場で済んだことなんだから」「俺を出し抜いて先生のところになんか行くなよ。俺の立場が悪くなるじゃないか」と発言をしている大輔。本教材(日分)の主題が「誠実な生き方」とありますが、大輔の言動からは、残念ながら「誠実さ」は伝わってきません。
それでは、本教材になぜ大輔が必要なのか。その理由を学習指導要領解説から考えてみます。
(以下、学習指導要領解説から抜粋)
「自主的に考え、判断」するとは、他人の保護や干渉にとらわれずに、善悪に関わる物事などについて幾つかの選択肢の中から自分で最終的に決めることである。自律は、自分の内部に自ら規律を作ることに焦点があり、自主は、外部に対し自分の力で決定することに焦点がある」
(以上)
上記の「他人の保護や干渉にとわられずに」という部分に、大輔の存在意義があるのではないでしょうか。本教材の授業では、子供たちから「あとで大輔に何を言われるかわからないから、不安」という発言が出てくるでしょう。しかし、その大輔からの「干渉」にとらわれなかった健二の行動こそ「自主的に考え、判断」している姿であり、主題である「誠実な生き方」につながるものなのでしょう。大輔の存在は「友情の構築(崩壊)」という意義ではなく、「他人からの干渉」という存在意義(授業での扱い方)になるということです。
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