教科調査官の浅見氏は、自己有用感(自尊感情と同意としている)を高める道徳科授業について、1年生「はしのうえのおおかみ」を例に以下のように述べています。
(以下、一部抜粋)
低学年での定番教材「はしのうえのおおかみ」は、Bの視点「親切、思いやり」を手掛かりとした教材として用いられることが一般的です。小学校低学年の段階であれば、最終的には、身近にいる人たちに対して、相手のことを考えて優しく接することができるような心を養うことが求められます。
相手は親切にされてどう思ったのか、「自己有用感」を高めるためには、おおかみと重ねた子ども自身の気持ちや考えを問うだけでなく、橋を渡してもらったうさぎの気持ちを確かめることも必要になるはずです。その後、おおかみと重ねた自分の気持ちも確かめていきます。
(以上)
親切にした相手がうれしい気持ちになったことを理解するということは、嬉しさという「感情の共有体験」になるのではないでしょうか。自らが選択(よりよい行動と判断)した行為によって、喜びを共有する体験ができるということも道徳科授業の魅力であり、自尊感情を育むための大切な手立てになりそうです。そして、この手立ては、例えば役割演技を取り入れることでより効果的ではないかと考えます。
《引用参考文献》
『道徳教育 2022年12月号』(明治図書,2022)
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