2022/12/02

「わからない」ということ


 道徳科の授業で「わかりやすさ」を求めるあまり、教材の流れに沿って一問一答的に人物の心情を理解させようとしたり、教師が必要以上に説明したりする授業を見かけます。果たして、その授業は子供たちにとって魅力あるものでしょうか。子供たちの立場から考えたとして、道徳科授業での「わかりやすい」は本当に魅力あることでしょうか。

 奈須正裕は、著書の中で以下のように述べています。

 教師が一生懸命に「わからせよう」としていることは、実は子供たちにとって「わかっていると思い込んでいること」を何度も説明されていることになります。子供たちが道徳科授業で退屈してしまう要因はここにあります。

 発問や対話を通して「わからない」を生むこと、そしてそれについての理解を他者と共に深めさせること。道徳科授業の授業づくりではこの視点が求められています。学習指導要領解説や教科書教材を読み、「わからない」を教師が見つけ出そうする姿勢が大切になるのです。


《引用参考文献》

奈須正裕『個別最適な学びと協働的な学び』(2021,東洋館出版社)

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