2025/06/28

ブランコ乗りとピエロ


 小学校6年生教材「ブランコ乗りとピエロ」について考えます。

 学習指導要領解説に以下のとおり記載されています。

(以下、学習指導要領解説[P49]を一部抜粋)

 この段階においては、自分のものの見方や考え方についての認識が深まることから、相手とのものの見方、考え方との違いをそれまで以上に意識するようになる。また、この時期には、考えや意見の近い者同士が接近し、そうでない者を遠ざけようとする行動が見られることがある。そのような時期だからこそ、相手の意見を素直に聞き、なぜそのような考え方をするのか、相手の立場に立って考える態度を育てることが重要である。

(以上)

  この記述の中で、今回は「そうでない者を遠ざけようとする行動がみられる」に注目してみます。なぜなら、このような行動は学級での子供たちの関係性にもよくみられ、その行動がきっかけでトラブルが起こりやすいのも高学年児童の特徴だといえるからです。そこで、本教材での大きな問いは「考え方や意見の違う人を遠ざけることをどう思うか」がふさわしいと考えられます。

 教材前半でのピエロの怒りは、考え方や意見の違うサムを遠ざけたいという身勝手な思いとも読み取れます。サムを遠ざけることで自分の立場を守ろうとしているということです。そこで、このピエロとサムの考え方の類似点と相違点を問うことで学びの焦点化を図り、「考え方や意見の違う人を遠ざけることをどう思うか」という問いにつなげていくのです。

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