2024/12/12

発問の分類「経験の共通化をはかる発問」~宮地忠雄~


 宮地忠雄は、道徳科授業での発問を6つに分類しています。そのうちの「経験の共通化をはかる発問」について、宮地は以下のとおり説明をしています。

(以下、引用参考文献から一部抜粋)

 生活経験の共通化をはかるということは、一方において、学級集団に対して授業という形で指導が展開される場合、当然のことであると同時に、他の一方において、児童のそれぞれが、これまで個々の自分の生活問題として受け止めていたことを、みんなの生活問題として意識することによって、その問題を受け止める姿勢が集団として積極化されてくるということがある。これはたいへん重要なことである。

「みんなも、このことで苦しんでいたのか。みんなもこんなときには、そんなに困ったのか。よし、ひとつ、しっかり考えよう・・・。」

 みんなの共通の問題だという意識は、ひとりひとりに、その問題への接近の姿勢を非常に積極化する

 特に、「そんなことは、自分にもあった」とか「だれにもあることだな」と児童のひとりひとりが、教師の発問をきっかけにし、また相互の話し合いによって気づくことが重要視される。

(以上)


(引用参考文献)

宮地忠雄『道徳指導シリーズ8 道徳授業と発問』(1973,明治図書出版)

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