2024/12/15

発問の分類「価値の発見・把握をはかる発問」~宮地忠雄~


 宮地忠雄は、道徳科授業での発問を6つに分類しています。そのうちの「価値の発見・把握をはかる発問」について、宮地は以下のとおり説明をしています。

(以下、引用参考文献から一部抜粋)

 これは内面化をめざす発問といえないこともないが、道徳の時間は、その時間が全体として、常に内面化をめざしているものであるから、このステップだけ内面化というのはいろいろ問題があろう。また、価値の発見・把握というよりも、それ自体、常にこの時間のそれぞれのステップのねらいでもあるから、前者と同じように必ずしも適当な表現とはいえないだろう。しかし、このような表現の生まれてくるゆえんは、この段階まで授業が進められたとき、児童は、それぞれ自分なりに、望ましい行動なり、あるいは価値のイメージなりを持つことができるようになるだろう、ということを予想し、それをしっかり自分のものとさせることをねらう発問、そういった発問の性格なり、ねらいなりをずばりと表現するためにあえてこのような表現がとられているということである。

 であるから、この発問を通して児童に期待される反応は、

「はっ」と気づき、新しい発見にみちびかれる。

「なるほど、そうだったのか」と、しみじみ感じたり、考えたりする。

「うん・・・」と自己の内面的なものに目覚める。

などといったものであろう。

(以上)



(引用参考文献)

宮地忠雄『道徳指導シリーズ8 道徳授業と発問』(1973,明治図書出版)


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