道徳科授業のスタイルを4つに分類してみます。
(1)心情理解(共感)スタイル
従来の道徳科授業のスタイルと捉えられます。中心人物の心情を想像(共感)することを重視し、授業の流れは「場面発問→中心発問→補助発問」と進んでいくことが多いと言えます。授業スタイルとしては定番ですが、「教材の中で学ぶ」という印象があり、近年では「読み取り道徳」と批判的に捉えられてしまうこともあります。
なお、この授業スタイルでは「中心人物になりきって考える」という学習活動を大事にしますが、この「なりきって考える」という学習活動そのものにも大きな意義があることを付け加えておきます。
(2)価値議論(思考)型
道徳的諸価値そのものについて議論するスタイルになります。教材の中に込められた諸価値の本質について、例えば、「◯◯の行動は親切と言えるのでしょうか」や「どちらの自由に賛成ですか」等の発問をすることで、発達段階に応じた道徳的諸価値について考えさせます。
(3)ワークショップ(グループワーク)型
近年の教材では、中心人物が登場せず、様々な場面が掲載されているようなものがあります。日本文教出版社の教科書を例とすると、高学年教材の「これって不公平?」や「わたしのせいじゃない」などです。従来の道徳科授業のスタイルではなかなか深めづらい教材かもしれませんが、それ故に自由度があり、様々な工夫も考えられます。
(4)自己の物語り(ナラティブ)型
教材を通して自分自身の内面を見つめ、これまでの経験や秘めていた思いを語り合うスタイルです。こちらも日本文教出版社の高学年教材を例にすると、「かぜのでんわ」や「その思いを受けついで」など、「生命」を扱うような教材が向いていると言えます(もちろん、それ以外でも可能です)。自己を見つめることを大事とする道徳科だからこそ生み出すことができる授業だと言えそうです。
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