2024/03/01

小学校6年生教材「言葉のおくり物」(1)


 小学校6年生教材「言葉のおくり物」(日本文教出版社)の授業づくりについて考えます。本教材の内容項目は、B「友情信頼」。高学年の内容は以下の通りです。

友達と互いに信頼し、学び合って友情を深め、異性についても理解しながら、人間関係を築いていくこと。

 本内容項目では、小学校高学年と中学校で「異性理解」に関しての記述があります(小学校高学年においては、平成20年告示の学習指導要領解説では「男女仲よく協力し助け合う」だったものが、平成29年告示の現行学習指導要領解説では「異性についても理解しながら、人間関係を築いていく」と変更されています)。

 さて、高学年の内容として「異性理解」が明記されているので、本教材の授業も「異性理解」に重きをおいて行うべきなのでしょうか。この疑問に対する解は、「否」とお答えします。「異性理解」と明記されていますが、それは学習内容の一部であり、あくまでも「友情、信頼」の授業と捉えてよいでしょう。「異性理解」を入り口として、広く、深く、「友情、信頼」の理解につなげていくということです。

 また、近年は「多様な性」への理解が進んでいますので、「男」「女」を明確に区別して授業を行うことに対しても不安を感じてしまいます。次回の学習指導要領の改定の際に、この「異性理解」の記述がどのように変わるのかも注目しておきたいところです。

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