日本文教出版社6年生の教材「わたしのせいじゃない」を、構成的グループエンカウンターの観点で授業を考えます(構成的とは「枠を与える」、グループは「小集団」、エンカウンターは「出会い」という意味になります)。
(1)本教材で描かれている14名の子の発言をカードにして小グループ(3~4名)に配ります。
(2)そのカードをグループごとに「許せない順」に並び替えさせることで、それぞれの価値観を交流させます。
(3)並び替えたカードの、どこまでを許せるのかグループで判断させます(定規などで区切らせます)。ここでは、おそらく一般的な視点(自分事ではない)で子供たちは判断するでしょう。
(4)最後に、その区切ったところまでを、あなた自身が被害者の場合許せるのかを尋ねます。この時、子供たちは初めて自分事として考え、一般的な視点とのずれに気づきます。なぜ、そのようなずれが生じるのかを考えさせてもよいでしょう。
普段の道徳科授業と異なり、常に教師の顔を見て考えるのではなく、友達の顔を見て考えられることがこの授業形態の特徴です。また、「並び替える」「区切る(判断する)」などの活動の中でグループでの対話がたくさん生まれる授業にもなります。時に、このような授業もよいのではないでしょうか。